一般眼科
一般眼科では、視力検査や眼圧検査、眼底検査などの検査を行い、目の疾患に対して診断や治療を行います。
眼の病気は、発症しても自覚症状がないものもあり、気が付かないうちに視力が低下したり、視野が狭くなったりしてしまうことがあります。
放置してしまい症状が進行してしまうと、日常生活に大きな支障をきたす場合があるため、気になる症状がありましたらできるだけお早めにご相談ください。
当院に初めて来院される方へ
初めて来院される際は、以下のものをご持参ください。
- 健康保険証(保険証がないと10割負担となります。)
- 各種受給者証、医療券、医療証(受給者のみ)
- 他院からの紹介状や検査結果(お持ちの方のみ)
- お薬手帳または、現在服用・点眼中のお薬やお薬袋
- 使用中の眼鏡・コンタクトレンズ
目の疾患
よくある目の症状・相談
- 視界がかすむ、ぼやける
- 目が赤い(充血)
- 目が痛い
- 目がゴロゴロする(異物感)
- 白目がぶよぶよする
- 目がかゆい
- まぶたが腫れる
- 目やにが出る(眼脂)
- 涙が出る
- 目が乾きやすい
- 視界にゴミみたいな物が浮いて見える
- 視界に動く点や線のような物が見える
- 目が疲れやすい
- 視界がまぶしい(羞明:しゅうめい)
- 物が歪んで見える
- 眼球打撲(目をぶつけた)
- ガチャ目(左右で視力が違う)
- 物が重なって見える
- 視力が低下した
- 眼を動かさないで見える範囲が狭くなった(視野が狭くなった)
- 眼内レンズがズレた(落ちた)
など
当院で行う検査・治療
- 視力検査
- 眼圧検査
- 眼底検査
- 視野検査(ゴールドマン視野計・ハンフリー視野計)
- 両眼視検査
- 色覚検査
- アムスラーチャート
- イムノキャップ(花粉症・アレルギーの検査)
- 各種術前検査
など
当院で診療する主な疾患
白内障
白内障とは、ピントを合わさるための目のレンズの役割を持つ「水晶体」が白く濁り、視界がぼやけたり、光をまぶしく感じるようになったりと、ものが見えにくくなる症状が起こる病気です。
白内障は加齢や紫外線、放射線、薬の副作用、アトピーなどが原因で水晶体のたんぱく質が変化し、水晶体が硬くなったり濁ったりすることで発症します。
治療には薬物療法や手術が行われます。
加齢による白内障は、早い人では40歳くらいから発症することがあります。
視界がぼやけたり、光がいつも以上にまぶしく感じるなどの症状がある場合はご相談ください。
緑内障
緑内障とは、目の情報を脳に伝える視神経が眼圧の上昇などの理由で圧迫されたり障害されることで起こる疾患で、視野が狭くなったり、見えない部分ができてしまうまどの症状を起こします。
一度悪くなった視界や視野の症状は改善されることがないため、早い段階で治療を受けることが重要です。
また、初期の緑内障は症状がないことが多く気づきにくいため、40歳を超えたら一度眼科を受診することをお勧めします。
治療には薬物療法や緑内障レーザー治療、手術などが行われます。
VDT症候群・IT眼症
VDT症候群(IT眼症)とは、スマートフォンやコンピューターなどの画面を長時間見ることにより、目の疲れや充血、ドライアイ、頭痛、体の疲れなどの身体症状や、不安感や抑うつ、イライラ、不眠などの精神神経症状を引き起こす病気です。
症状の改善には、目薬や飲み薬による治療のほかに、モニターを見る時間を減らしたり、モニター配置や空調設備の見直しや適度な運動やリラックスの時間を設けるなど生活環境を改善することも重要です。
なお、VDT症候群はドライアイや近視などの目の疾患を引き起こすことがあるため、画面を見る時間が長い方は注意が必要です。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎とは、花粉やダニなどのアレルギー反応を起こす物質が目の表面に付着することで目の表面を覆っている結膜に炎症が起こる疾患です。
目のかゆみや充血、目の異物感、目やにが出る、涙が出るなどの症状を起こします。
結膜炎になると、目がかゆいため目をこすってしまいがちですが、目をこすると角膜に傷がついたり、結膜が腫れたりすることがあるので注意しましょう。
治療には、アレルギー反応の原因物質との接触を避けたうえで、薬物療法を行います。
ドライアイ
ドライアイとは、目を守ったり目に栄養を与える役割をする涙の質が悪くなったり、涙が安定して目の表面を保護しにくくなることで、目の乾きや見えにくさなどを生じる疾患です。
目の乾きや見えにくさに加えて、目が充血したり、涙の量が増えたり、光がまぶしく感じるようになるなどの症状を引き起こすこともあります。
ドライアイは加齢やエアコンの風が目に当たること、スマートフォンやコンピューターの画面を長時間見ることなどが原因で発症します。
治療には、薬物療法や涙が流れる管の穴を塞ぐ「涙点プラグ」による治療が行われます。
角膜疾患
角膜疾患とは、角膜(黒目の表面の透明な膜)に起こる疾患の総称で、コンタクトレンズなどを無理にとりつけることによって起こる「角膜潰瘍」、角膜が薄くなり前方へ突出してくる「円錐角膜」、涙が少なくなり目の表面が乾いて目が充血したり異物感をもたらす「ドライアイ」などがあります。
角膜疾患は治療が遅れると視力低下をもたらすことがあります。
角膜ヘルペス
角膜ヘルペスとは、単純ヘルペスウイルスが角膜に感染することで引き起こされる疾患で、涙が出る、光がまぶしく感じる、目が充血する、目に異物感がある、目の痛みなどの症状が起こります。
角膜ヘルペスは角膜の表面に潰瘍ができる「上皮型」と、角膜の内側で炎症が起こる「実質型」の2種類があります。
治療は薬物療法や角膜移植などの方法があります。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると、生涯ウイルスが神経の中に残り続けるため、疲れやストレスなどで免疫力が低下すると再発することがあります。
生活環境を整え、再発しにくい状況を作ることが重要です。
翼状片
翼状片とは、結膜が血管を伴いながら増殖し、目頭の方から黒目に向かって三角形に伸びてくる疾患です。
主な原因は紫外線やホコリだと考えられており、漁業や農業などの屋外で行う仕事をする方に発症しやすいです。
常に目が充血するという症状があります。
翼状片は良性の腫瘍ですが、進行すると乱視が起きたり、視力の低下を招き、最終的には失明に至るため、できるだけ早く眼科を受診しましょう。
黒目の中心が腫瘍に覆われると手術が必要になります。
眼瞼下垂
眼瞼下垂とは、まぶたが下がって黒目を隠してしまう疾患です。
眼瞼下垂になると、見えにくかったり、眠そうな表情に見えてしまったりします。
生まれつき発症していたり、疾患や加齢によって目を開ける筋肉や膜が弱ることで発症します。眼瞼下垂の治療は手術を行います。
眼瞼下垂手術について
眼瞼下垂手術は、二重のラインに沿って切開し、余った皮膚を切除する方法と眉毛の下の皮膚を切除する方法があり、どちらも局所麻酔を用いて行われます。
手術の傷痕は二重のラインや眉毛の縁にしかできないためほとんど目立ちません。
手術後はまぶたが腫れたり、内出血を起こしますが、1週間程度で少しずつ良くなります。
眼瞼痙攣
眼瞼痙攣とは、まばたきをする筋肉の「眼輪筋」が自分の意思とは反してピクピクと痙攣したり、目が開けにくくなる疾患です。
治療には、ボツリヌス療法や薬物内服療法、手術などが行われます。
40代の女性に多い疾患で、抗不安薬や睡眠導入薬を飲んでいる方に発症しやすいといわれています。
ボツリヌス療法
(ボトックス注射)について
ボツリヌス療法とは、A型ボツリヌス毒素というたんぱく質を緊張している筋肉に注射することで、神経の働きを抑制し、筋肉をリラックスさせる治療法です。
眼瞼痙攣の治療に用いられ、注射後2〜5日経過するとまぶたの痙攣が治まります。
効果は2〜4ヵ月続きますが、効果が切れるため、再度注射をする必要があります。
逆さまつげ
逆さまつげ(内反症)とは、本来は外側を向いているはずのまつ毛が眼球の表面に当たってしまっている状態です。
まつ毛が眼球の表面に当たることで角膜が傷つき、目に異物感があったり、涙が多く出たり、目やにがでたりします。
逆さまつげは、生まれつき発症しているものと、加齢に伴い発症するものがあります。治療は手術が行われます。
眼瞼内反症手術について
眼瞼内反症手術は、まぶたを切開し余分な皮膚や筋肉を切除し、内反を矯正する手術です。
手術は局所麻酔をかけて行われます。ほとんどの場合は1回の手術で治りますが、まれに再発することがあります。
手術後はまぶたが腫れたり、内出血を起こしたりしますが、1週間程度で少しずつ良くなります。
眼瞼内反症手術は保険適用の手術です。
人間ドックで要精密検査を
指摘された(目の疾患)
健康診断や人間ドックなどで目に関する項目で「要精密検査」を指摘された場合は、必ず眼科を受診しましょう。
目の疾患は早期発見・早期治療が重要です。
自覚症状がないからと放置してしまうと、進行してしまい症状が改善できなくなってしまうものもあります。
視力低下
健康診断や人間ドックなどで行われる視力検査は、一般的には矯正視力の検査です。矯正視力で1.0以上が標準、0.7~0.9が要注意、0.7以下を異常と分類します。
裸眼視力と矯正視力の両方を検査した場合には「裸眼視力(矯正視力)」として左0.2(1.0)、右0.3(0.9)のように表記します。
視力に影響を及ぼす目の疾患が隠れている可能性があるため、健康診断や人間ドックで視力低下が指摘された場合は、眼科で精密な視力検査を行うことをおすすめします。
検査の際にはお手持ちの眼鏡やコンタクトレンズをお持ちください。
中間透光体混濁
中間透光体混濁とは、本来は透明な中間透光体(角膜・水晶体・硝子体)が何らかの理由で濁ってしまった状態をいいます。
眼底検査を行い、中間透光体のどこかに濁りがあった場合に、中間透光体混濁と診断されます。
中間透光体混濁と診断されるので最も多い疾患は、白内障です。
そのほかにも角膜の傷や炎症、硝子体出血などが疑われます。
中間透光体混濁と診断された場合には眼科で精密検査を受けましょう。
細隙灯顕微鏡検査や散瞳薬を用いた眼底検査で、目の中に異常がないかを調べます。
高眼圧
高眼圧とは、眼圧が正常値の10~21mmHgを超えた状態をいい、眼球がパンパンに張っている状態です。
眼球はゴムボールのような構造をしており、内部には房水という水分があり、房水を介して眼球内の組織に栄養などを届けています。
高眼圧の状態が継続すると視神経が障害され、視野が欠ける緑内障を発症する恐れがあります。
視神経乳頭陥凹拡大
視神経入党陥凹拡大とは、視神経乳頭の陥凹部が通常よりも大きく凹んでいる状態をいいます。
視神経乳頭とは、眼底にある視神経が集まって脳へと出ていく部分のことで少し凹んでいます。
この凹みが通常より大きいと神経が障害され視野が欠ける緑内障を発症している恐れがあります。
生まれつき陥凹部が大きいこともあるため、一概に疾患があるとはいえませんが視神経乳頭陥凹拡大が指摘されたら、一度精密検査を受けましょう。
精密検査では、目のCT検査ともいえるOCT検査や視野検査などを行います。
網膜神経線維層欠損
網膜神経線維層欠損とは、視神経乳頭から扇状に眼球内へ広がっている視神経の繊維が傷んで欠けた状態をいいます。
眼底検査で観察でき、緑内障の初期にあらわれる症状とされています。
網膜神経線維層欠損が進行すると、視野欠損を引き起こすため、網膜神経線維層欠損を指摘された場合は精密検査を受ける必要があります。
精密検査では、眼圧検査や視野検査、隅角検査(房水の出口の隅角が詰まっていないかを診る検査)を行います。
加齢黄斑変性
加齢黄斑変性とは、加齢によって黄斑部が衰える疾患です。
黄斑部とは網膜の中でももっとも視細胞や視神経が集まっていて、細かいものを識別したり、色を見分ける働きをする部分です。
加齢黄斑変性を発症すると、直線で構成された格子が曲線的な網目に見えてしまう「変視症」をはじめとした様々な視覚症状があらわれます。
日本では50歳以上の100人に1人が発症するとされており、中途失明原因の第4位となっています。
加齢黄斑変性は放置すると失明する可能性があるため、網膜の精密検査を行う必要があります。
黄斑前膜
(黄斑上膜・網膜前膜)
黄斑前膜繊維症とは、加齢に伴って硝子体が網膜から剥がれる後部硝子体剥離の際に、硝子体組織が網膜側に少し残ってしまい、網膜の手前で膜のようになる疾患です。
その膜がだんだん分厚くなると、直線で構成された格子が曲線的な網目に見えてしまう「変視症」や視力低下を引き起こします。
失明には至りませんが、視力低下によって生活の質が大きく下がるため、精密検査と治療が必要です。
精密検査ではOCT検査を行い、目の内部の状態を視覚化し調べます。
眼底出血
眼底出血とは、網膜表面の破綻や閉塞によって引き起こされる網膜の出血のことです。
眼底出血は糖尿病網膜症や高血圧性網膜症、網膜静脈閉塞症、加齢黄斑変性などの疾患が原因で起こると考えられています。
眼底出血は少量の出血でも出血する箇所によって重度の視力低下を引き起こすことがあるため、緊急の手術が必要になる場合があります。
また、眼底出血を起こした後、出血により失われた栄養を補給するために、新生血管が作られることがあり、この新生血管はもろく破れやすいため、新たに出血が起こることもあります。
人間ドックで眼底出血や新生血管が見つかった場合は、散瞳薬を用いた眼底検査やOCT検査などの精密検査を受ける必要があります。